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本:君は永遠にそいつらより若い 津村記久子

久しぶりに本の紹介です。

常にマンガも含めて本は身近にありますが、うつうつしたときは余計に本に手が伸びます。

今回ご紹介するのは「君は永遠にそいつらより若い」ちくま文庫から出ています。作者は津村記久子。「ポトスライムの舟」で芥川賞を取った女性作家で1978年生まれなので35歳くらいの人です。

「ポトスライムの舟」という本は主に仕事を背景に働くことについて書かれた本ですが今回の本は主人公が女性の大学生ということでまた違った背景の下で人間関係が描かれています。

読み始めてすぐにはこの本がどこに向かっているのかよくわかりません。そういう中で登場人物が次から次へと出てくるので最初で興味をなくしてしまう人もいるかもしれません。

でも主人公の軽快な会話をはさみながら、かつこの小説はどこに向かって収束していくのかを考えながら読んでいくと意外と重い結末に至ります。

物語の背景はありふれた日常生活の輪からはみ出していないけれどそこから現代の社会問題、自殺や児童虐待や暴行事件などにつながっていくのは現代の日常というものの脆さ・怖さを感じます。

そういう現代が持つ社会問題の当事者、被害者となったときにどうするかという問題提起を含んでいるように読み取れますが明確な答えは書かれていません。

でもラストの暴行事件の被害者となった友人に会いに行く主人公が心の中でつぶやく言葉に明るさを感じます。

「特にあなたがいちばん気になるんだと、これからもずっと気にするし、あなたがわたしのことをすっかり諦めて忘れてしまっても、私はあなたのことを気にしているんだろう」

べたですが加害者となり身体面なり精神面に傷つけるのも人間ならその傷を救い上げるのもまた人間なんだなと感じます。

トラウマとなるような傷を持つ人がそう簡単に救われるわけではないですが、それでもそういう人を避けずに寄り添って付き合っていくことはそういう人にすごく力になると思います。

感想が上手くまとまらないのですが気になる方は読んでみてください。

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書評:次の日ケロリ

すごい本を見つけました

2006年出版なので見つけるのが遅すぎなのですが、この絵本はいいです

タケウチユミコさんの次の日ケロリという絵本のことです

この本、子供の絵本にあらず、大人のための絵本です

なぜなら子供はこの絵本なんて読まなくても次の日ケロリとできてしまうからです

だから、この本は大人の絵本です

癒されます

いろいろ大変なことは多いけど、「ま、いいケロ」と唱えて

次の日ケロリといきたいです

私もこういう絵本描きたいと思いました

DSC05769DSC05770

テーマ:絵本 - ジャンル:育児

本:楽園のカンヴァス 原田マハ 新潮社

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山本周五郎賞受賞、直木賞はノミネートされましたが辛くも逃した作品です。

表紙のルソーの絵に魅かれて読んでみました。ハードカバーの本は重いのであまり買うことはないのですがこの本は買って読んで手元に置いておきたいと思わせてくれる本でした。

ニューヨーク近代美術館(MoMA)の学芸員ティム・ブラウンは、スイスの大邸宅でありえない絵を目にしていた。ルソーの名作『夢』とほとんど同じ構図、同じタッチ。持ち主の富豪は真贋を正しく判定した者に作品を譲ると告げる。好敵手(ライバル)は日本人研究者、早川織絵。リミットは七日間――。カンヴァスに塗り籠められた真実に迫る渾身の長編!(新潮社HPより引用)

第一章から最終章の11章まであるのですが、まず魅かれたのは第1章の舞台が倉敷・大原美術館であること。

何回か、行っている場所なので懐かしさも感じて読み進めていきました。

しかし、第1章では倉敷が舞台で大原美術館で働いている監視員の女性が主人公となっていますが第2章からはニューヨークと、バーゼルへと舞台が移りさらに主人公がMoMaの学芸員ティム・ブラウンに移ってきます。

こういう主人公が変わる小説は他にもありますが、第1章の文章が持つ雰囲気が第2章につながらなかったので少し違和感がありました。

また個人的にはそのまま女性の主人公であってほしかったです。

違和感を持ちつつ読み進めていくとアンリ・ルソーの「夢」とほぼ同じ絵の「夢を見た」という作品があらわれ、その作品が本物かどうかを見極めていく推理仕立てとなっていきます。

作品の真贋、そしてそれを正しく判定するものはどちらか?という展開がとても興味を引きました。

またあまり知らなかったルソーという画家についてもその交友や絵画に対する情熱の在り方、などフィクションではあっても知ることができ興味を持つことができました。

絵画を巡る小説であり、恋愛的な要素も含むロマンティックな小説であります。

そしてそういう画家や絵画に一生寄り添って生きていこうという想いを持った学芸員や美術に携わる人たちの情熱に共感を覚えるし、ちょっとうらやましくもなりました。

最後に文中で気に入った箇所を。

「新しい何かを想像するためには、古い何かを破壊しなければならない。世界を敵に回しても、自分を信じる。それこそが、新時代の芸術家のあるべき姿なんだ。」

ピカソがルソーにかけた言葉です。現代美術の新しい運動であるキュビズムを示したピカソの覚悟を感じる場面です。ここでもそれだけの自分の絵画に対する自信と自分を信じる強さに心打たれます。

絵画が好きな人はすでに読んでいる人もいると思いますが、絵画に興味がない人でも読んでみると引き込まれる作品だと思います。そしてこの作品をきっかけに絵画を好きになれる可能性も持つ作品です。

この夏おすすめです。是非、読んでみて下さい。

テーマ:書評 - ジャンル:小説・文学

本:華岡青洲の妻 有吉佐和子 新潮文庫



有名な本ですね。大雑把には内容は知っていたのですが今回初めてきちんと読んでみました。

舞台は江戸時代で話言葉や文中で使われている言葉になじみがない部分もありますが割とすんなり入っていけました。

内容は、華岡青洲という医者が麻酔薬「通仙散」を完成させるために母親と妻を被験者にして治験を行っていく。その経過を詳細に描くとともに母親と妻の嫁姑問題も描いている本です。

すんなり入っていけたのはこの「嫁姑問題」というものが普遍的な問題だからだと思います。

母親は息子(華岡青洲)が結婚する年になり妻をめとっても子離れできなくあれこれ世話を焼きたがる。そして嫁を邪険にしていく。

妻はそんな母親を気持ち悪くも思うし、孤独を募らせる。

私は主に妻の立場に感情移入して読んでいったので母親の息子への愛情が過度のように見えました。

また、息子がいない時は仲睦まじかった母親と妻が息子が間に入ることでこうも関係性というものが変わるのかと驚きもしました。

この本では嫁姑問題のクライマックスとして麻酔薬の治験者になる争いが描かれていますがその部分は2人(母親と妻)のやり取りがすごくスリリングです。

と、このように江戸時代の「嫁姑問題」として読むのもおもしろいですし、麻酔薬の完成のためにどれほどの命を殺めたり、犠牲を払って出来たものかを知ることも勉強になる本です。

是非、読んでみて下さい。お勧めです。

本:贖罪 上・下 イアン・マキューアン 新潮文庫



 

以前から持ってはいたのですが再読してみました。数年前に映画にもなったのでご存知の人も多いと思います。

私は友達にこの本はとてもいいよと言われて知りました。

1935年、イギリス地方旧家。タリス家の末娘ブライオニーは、最愛の兄のために劇の上演を準備していた。じれったいほど優美に、精緻に描かれる時間の果てに、13歳の少女が目撃した光景とは。傑作の名に恥じぬ、著者代表作の開幕。

本の紹介に、「現代の名匠による衝撃の結末は世界中の読者の感動を呼び、小説愛好家たちをうならせた。究極のラブストーリーとして、現代文学の到達点として―」

と書いてあり、とても期待を持って読み始めました。今回初めてじっくりと読んでみましたが上巻ほとんどが事件が起こったある一日を描いていてとてもテンポが遅く読むのに根気が要ります。

それでも読んで行けたのは、私の場合は犯人はだれなのかという謎解きによるところが大きかったです。その部分で引付けられました。

しかしラストは、明快な結末ではなく、色々な解釈を残す結末でした。犯人もはっきりとはせず、その部分では消化不良の感が残りました。

でも主題はそこではなく、「人はいかにして贖罪を成し遂げられるのか?」という点であり、小説家はそれを行うことが可能なのか?という点です。

著者は小説家がそれ(贖罪)を成し遂げることは不可能としても、それを試みることこそが大切だと言っています。

そのためには事実を小説というフィクションで包むことも必要だと。この本のタイトルの「贖罪」という言葉は罪を犯した主人公・ブライオニーのものではなく小説としての「贖罪」の在り方も示しているのではないかと思いました。

小説の持つ可能性、限界とその在り方という大きな問題も提起している作品だと思います。

いまだ十分に読みこなせていない本ですがラストの流れるような美しい文章もとても魅力的です。

何回でも読み返してみたくなる本です。是非、読んでみて下さい。

マンガ:宇宙兄弟 講談社

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価格:9,910円(税込、送料別)


大人になってからはあまり漫画は読んでいなかったのですが、こちらの漫画に今はまっています。

「宇宙兄弟」、おもしろいです!

宇宙飛行士を目指す、兄弟の成長物語です。弟のほうが優秀で先に宇宙飛行士になり月に飛び立つことができました。多分に最終的には主人公である、お兄ちゃんの方も宇宙飛行士となり宇宙に行けるんだろうとは思います。

期待を裏切らない展開で、お兄ちゃんのほうの宇宙飛行士になるまでの過程と宇宙飛行士となり宇宙を目指すところが描かれています。

決まりきった展開ですが、細部が面白いです。ユーモアあふれるお兄ちゃんの描写と他の宇宙飛行士との友情、困難に陥ることもありますがどうしても子供のころから宇宙飛行士になりたかったという固い意志で乗り切っていく様子はこちらに元気をくれます。

本文中、主人公が言うセリフで「本気の失敗には価値がある」という言葉があります。

この言葉を読んで私はこれから新しいことを目指し、当然不安もあるけれど本気でやって失敗したらそれはそれでいいんじゃないかと思えました。

前向きになれる漫画です。是非、お勧めします。

プロフィール

うさみさん

Author:うさみさん
読書(漫画、雑学)、絵描き、散歩、食べ歩き、ケーキ、コーヒー好き

えーちゃん: 美術館(印象派)、読書(小説)、映画、散歩、ケーキ、紅茶好き

次の日ケロリ時計

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